RepetitionLife

株式会社アプト代表取締役 遠藤幸一郎のブログ

起業してからもスポーツ選手でい続ける理由

ぼくは起業してから7年目ですが、

リクルート時代から今に至るまでずっと現役の陸上選手です。

一時期実業団チームから外されたこともありますが、色んなご縁で実業団登録に戻る事ができて、今年は7年目にしてはじめて全日本実業団に出場することも出来ました。

 

週7で仕事しながら週5で練習に行き、

僕は周りになんと言われようと

健康の為とか、趣味スポーツではなく、

あくまでアスリートでいる事に拘っています。

 

昔からですが、その事をお仕事でお会いする方にはだいぶ不思議な顔をされてしまいますので、

僕が今の仕事をしながらもしつこく陸上選手でい続ける理由はなんだっけかと、

少し自分の事を振り返ってみました。

 

高校生の時まで話は遡るのですが、

実は昔は高校球児で、休みもなくとにかくがむしゃらに甲子園を目指した時期がありました。

僕らの代は秋と夏が埼玉ベスト16で、

練習設備も充実し、部員も多く、所謂強豪校の一つだったとは思うのですが、そんな中でも甲子園どころか、3年間で一度もベンチに入れず、最後の夏はチームが甲子園に少しでも近づくために自らマネージャーを志願しました。

 

日本の高校野球はとても競争が激しく

埼玉は高野連加盟が162校で、7400人の球児が毎年いる中で、

多くは子供の頃からそれだけを夢見て、

高校に入るまえから中学の時も野球だけに取り組み、甲子園に出るためだけに学校を選ぶ選手も少なくありません。

それでも憧れの甲子園に出れるのは1校の18名のみで単純確率で0.2%です。

 

つまりスポーツは椅子の数が予め決められた椅子取りゲームなのです。

僕はスポーツを趣味で行うか、アスリートとして行うかは、

そのスポーツ自体を行う熱量やその人の生活の中での優先順位で判断するのではなく、椅子取りゲームで椅子を取りにいくかどうかだと勝手に思っています。

なので毎日練習していても、そのスポーツが好きでやっているのであれば激しい趣味ですが、

練習頻度が週に1回や2回でも、他の人と自分を比べ、限られた枠の中に入るために好きかどうかは関係なく取り組んでいるのであればアスリートだと思ってます。

 

ここで重要なのは仕事と違って勝者が絶対的に正解であるということと、

その枠が決まっているということです。

(もちろん参加標準記録で出場できるものや、業界からの派遣などはありますが)

 

いい仕事というのは、

社会的意義や貢献度、経済的な評価、個人でみても、その人の成長度合いや、自分の人生に価値観にそぐわしいか、ワークライフバランスがとれているかなど

同じ業界や組織内でも”いい仕事”の評価は色々なものさしがありますが、

 

アスリートスポーツは代表枠や、全国への出場など、自身で設定した椅子を取れるかとれないかがその人のスポーツ人生を残酷に白黒はっきりしてくれます。

 

椅子を勝ち取ったごく一部の人以外は敗者なのです。

 

しかも

勝負は時の運と言われるように、一瞬の判断ミスや不運などで勝敗を決し、

それまでの実績や努力量などは当然考慮されず、目指した夢がただの思い出になってしまう。

 

そして一部のプロスポーツや一握りのトップ選手を除けば、金銭的な見返りはなく、

生活を節制し、様々な欲に惑わされることもなく、その椅子を勝ち取る為だけに色んなものを犠牲にしています。

そして勝ち取った椅子も座っていられるのはほんのひと時で、

それでその人の人生が大きく変わるかと言われると、そうでないことが殆どです。

 

はっきり言ってとても割の悪い人生だなと思います。

 

でもそんな椅子取りゲームの本番は最高に興奮と緊張と不安が混じり合って、

勝ち取った時の達成感や高揚感、そうでなかった時の失意や悔しは、人生にハリを与えてくれて、仕事で得る達成感とは全く別物です。

 

長々と話してきましたが

それが僕のスポーツ選手でいる理由です。

 

今年は長年目標にしてきた全日本実業団に

社会人7年目にして初出場です。

恐らく最高に緊張すると思いますし

ここに至るまでとても辛かっですし

なんども嫌になりましたが

本当に続けてよかったなと思いました。

 

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