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株式会社アプト代表取締役 遠藤幸一郎のブログ

実力がある人には責任がある

お久しぶりです。


今回は、実力(才能)がある人にはそれを充分に発揮して貢献する責任があるという話をします。


以前の僕は身内の病気の治療でその業界では第一人者と呼ばれる外科の先生にお会いしました。
日本全国いろんな所でその先生の執刀や診察によってたくさんの患者が救われるという大変優秀な,いわゆる"名医"でした。
しかしそんな一方、
・外来診察は予約時間から6時間も待たされる。
・主治医なのに入院中は一度も回診に顔をみせない。
・初診で余命を通告。
というよくドラマで出てくるような一見すると血も涙もないと言われそうな、患者サイドからすると刺激の強い先生でした。
そしてわずかにいただいた診察の時間そのお忙しい先生にあえて、”休みや結婚”のことを聞いてみたことがありました。

”休みは7年とってませんし、とっくに離婚しました。子供が生まれてからも1日も時間を使えなかったので・・・。僕は外科医です。僕にしか助けられない患者がいて、どんなに働いてもその人達全員を救えるわけじゃないんです。
今こうしてる間にも僕の執刀を待ってる人がいる。外科医として第一線でやると決めてから、人間として幸せになることはやめました。”

 

この言葉を聞いて、僕は回診に時間を要してくれないことや、見込みのない治療に時間を要さないという先生をどうしても責めることはできませんでした。
むしろ高い責任を負ってプロとして世の中に貢献し続ける先生を、とても尊敬するようになりました。

もちろんこの国の
”休まず長く働く人”の全てがこの先生のように高い才能を発揮し、その時間がフルに社会貢献に活かせれているようなケースではないと理解しています。

そして昨今話題になっているような、従業員の意に反した長時間労働の強制や、理念なき経営者の利己的なエゴや価値観によって設定された労働環境で人材に健康被害が起きても真摯に向き合わず、人材を使い捨てるような企業は決して許されないし、断絶せねばならないと思っています。

 

ただ、世の中を良くする、だれかを助ける、人の笑顔をつくる。
という行為の裏には、必ず一部の実力ある人の仕事の上に成り立っているという事で、僕らが普段使ってる便利なサービスも、顔の見えない誰かの常軌を逸した仕事量によって成り立っているはずです。

 

昨今長時間労働の体質のある企業が世論で厳しい状況にたたされています。
ただその企業で身を削って働いてきた実力者によって素晴らしいイノベーションが生まれ、たくさんの価値を提供してきて、ぼくらエンドユーザーの生活が豊かになったり、笑顔が増えてきた軌跡も決して忘れてほしくはないと個人的には思っています。

 

僕ら会社の創業者は、自分たちの手で今の世の中をもっと素晴らしいものにしたいと立ち上がり起業しました。
多少傲りがすぎるかもしれませんが僕らの定義する素晴らしい世の中は自分たちの手でないとつくれないと信じています。
その未来をつくる責任を負う、意思と実力と可能性を持ち合わせていると信じています。
僕もその先生のように起業後何年も休みという休みはとらずにここまで走り続けてきました。
一度も後悔したことはないし、むしろそれだけ高い責任で仕事ができていることをとても誇りに思います。
また、速度に妥協をしたことで、後から後悔をしたくないとも思います。

 

ただ、その道の途中で不本意ながらついて来てくれたメンバーに無理をさせてしまったことも、
未来ある若手メンバーを失ってしまったこともあります。

 

もちろん、それ自体はとても悲しいことで、
トップである僕が反省し、改善すべきことなので、法の観点や、就業者側の視点にたってよりたくさんのフォロワーが笑顔で関わってくれる企業になるようにしますが、
僕らは起業した時の意思や信念は少しも変わることなく、
より社会に貢献できるために、全力で走り続け、責任を果たしたいと思っています。

 

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